力学試験
力学試験
MECHANICS TEST
土の段階載荷による圧密試験【 JIS A 1217 】
両面排水条件の供試体に圧密圧力pを載荷し、経過時間tと圧密量ΔHを24時間測定します。小さいpから8~10段階程度増加させて行き、各々のpにおけるΔH~tの関係から各種圧密特性を求める試験です。
報告する圧密特性としては、圧縮指数Cc、圧密降伏応力pc、圧密係数Cv、体積圧縮係数mv、透水係数k’などがあります。
・対 象 土:乱さない粘性土を主体
・試験に必要な試料量:不攪乱試料長 50mm
・試験日数:約2週間
・別途必要な試験値:土粒子の密度ρs
土の定ひずみ速度載荷による圧密試験【 JIS A 1227 】
片面排水条件の供試体に、一定のひずみ速度で連続的に軸圧縮圧力σtを載荷すると同時に、圧密変位量dtと間隙水圧utを測定します。連続的に得られたσtとutから圧密圧力ptを求め、各種圧密特性を求める試験です。
報告する圧密特性は前掲JIS A 1217と同様ですが、連続的なpに対するdが得られますので、明確なpcを求めることが可能です。
・対 象 土:乱さない粘性土を主体
・試験に必要な試料量:不攪乱試料長 50mm
・試験日数:約1週間
・別途必要な試験値:土粒子の密度ρs
土の一面せん断試験【 JGS 0560、0561 】
上下に分かれたせん断箱内に供試体を納め、有効土被り圧など所定の垂直応力 σ を載荷し、この状態で可動側のせん断箱を水平に移動させることで、対象土のせん断応力 τ を求める試験です。なお、異なる3種の σ でせん断することで、その σ と τ の関係から強度定数(c、φ)を求めることも可能です。
試験条件として、JGS 0560の圧密定体積試験は三軸CUB試験、JGS 0561の圧密定圧試験は三軸CD試験に相当します。
・対 象 土:標準径φ60mm(高さ20mm)の供試体とした場合、最大粒径0.85mm以下の土
・試験に必要な試料量:不攪乱試料長 150mm
土の一軸圧縮試験【 JIS A 1216 】
自立する供試体を軸方向に圧縮し、その圧縮ひずみ ε と圧縮応力 σ を求める試験です。σ の最大値を一軸圧縮強さqu、その時の ε を破壊ひずみεf、またσ~ε曲線から算出した変形係数E50を報告します。
必要に応じて、練返した供試体との強度比から鋭敏比 St を求めることも可能です。
・対 象 土:乱さない粘性土を主体
・試験に必要な試料量:不攪乱試料長 300~500mm(φ35~50mmの供試体の場合)
土の三軸圧縮試験【 JGS 0521、0522、0523、0524 】
飽和した供試体を所定の圧密応力σc’で等方圧密し、圧密収束後に軸方向に圧縮することで、軸ひずみεaと主応力差(σa-σr)を測定します。同一試料から作製した3個以上の供試体を用いてσc’を各々変化させ、その最大(σa-σr)fとσc’の関係を求める試験です。この関係をモール・クローンの破壊基準に適用し、強度定数(c、φ)を算出し報告します。 なお、本基準では、下表の4種類の試験条件が制定されており、設計対象に合わせた基準の選定が必要となります。
・対 象 土:礫質土~粘性土、安定処理土など
・試験に必要な試料量:不攪乱試料長 300~500mm(φ35~50mmの供試体の場合)
試験名称 | 圧密過程 | せん断過程 | 求められる強度定数 | 試験結果の適用例 |
---|---|---|---|---|
UU試験 【JGS 0521】 | 非排水 | 非排水 | Cu、Φu | 粘土地盤の急速施工による短期安定問題など |
CU試験 【JGS 0522】 | 排水 | 非排水 | Ccu、Φcu、Su/p | 粘土地盤を圧密させてからの急速施工による短期安定問題など |
CUB試験 【JGS 0523】 | 排水 | 非排水 ※間隙水圧測定 | CU強度+c’、Φ’ | 上記、及び有効応力解析用の強度定数 |
CD試験 【JGS 0524】 | 排水 | 排水 | Cd、Φd | 砂地盤など透水性の良い地盤の施工による安定問題、地盤の長期安定問題など |
室内配合試験【 JGS 0811、0812、0821 】
地盤改良で所要の強度を得る配合量を決定するために、土に安定材を添加し、撹拌・混合して一定期間養生後に圧縮強度試験を行います。
通常は3パターンの添加量と7日、28日の材令で実施し、添加量と圧縮強度の関係と目標強度などから、現場改良に必要な添加量を求めます。
必要量:500g×供試体数 (φ50mm×H100mmの時)
必要条件:添加量の基準密度(現場密度や湿潤密度等)
※ 図表は地盤材料試験の方法と解説より引用