組合概要

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UNION

理事長挨拶

 平素は格段のご高配を賜り厚く感謝申し上げます。

 当センターは1980年12月に中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業の一環として設立致しました。

 設立から42年が経過し、組合員数も設立当時から12社増加し、現在50社となっております。その間、社会基盤の整備や災害復旧事業にも微力ながら貢献して参りました。
 近年の日本は、地震災害や気候の温暖化による集中豪雨などの自然災害が頻繁に発生しており、我々地質調査業の果たす役割は増々重要となっており、当センターもその重要な役割を担うとものと自負致しております。

 当センターは、皆様方からの要望に対応出来るよう、試験機器の更新に努め、さらに職員の教育訓練にも力を注いでおります。
 今後も当センターが長年培って参りました実績と専門性を活かし、皆様方の信頼と期待に応えられますよう、役・職員が今一度気を引き締め、努力を重ねて参ります。
 皆様方には更なるご指導・ご鞭撻を頂きますよう、お願い申し上げます。

理事長 寺西 一哲さとし 

地盤工学貢献賞を受賞しました

 公益社団法人地盤工学会から令和2年度地盤工学貢献賞を受賞し、2021年4月19日、公益社団法人地盤工学会関西支部通常総会において、当組合に授与されました。

 地盤工学貢献賞は、長年にわたる地道な活動・業務、一般市民に対する活動のいずれかを通じて地盤工学の進歩発展あるいは社会的イメージの向上に多大な貢献をした個人または団体に授与される賞です。

 当組合の長年にわたる、技術者育成・技術支援、地盤工学を通じた社会への貢献と地盤工学のイメージ向上に努めてきたこと。自治体の技術職員研修会、「人材活性化フォーラム」、「市民防災フォーラム」の開催など、産学官の技術者の交流、市民への地盤工学の普及に取り組んできたことが認められ、大変貴重な賞をいただきました。

 この賞を本部に推薦して頂きました、公益社団法人地盤工学会関西支部関係者各位に深く御礼を申し上げます。

概要

名称協同組合 関西地盤環境研究センター
所在地〒566-0042 大阪府摂津市東別府1-3-3
創立1980年12月16日
出資金150,000(千円)
国際規格ISO/9001
組合員組合員51社
賛助会員7社
地区大阪府、滋賀県、京都府、兵庫県、和歌山県、奈良県、徳島県、愛媛県
(2024年3月現在)

沿革

  • 2020年(R2) 11月 創立40周年を迎えました
  • 2018年(H30) 5月 環境部門を廃止
  • 2009年(H21) 9月 摂津試験所に新棟を増築し全機能を移転(守口試験室を統合)
  • 2003年(H15) 5月 協同組合 関西地盤環境研究センターに名称を変更
  • 2001年(H13) 4月 環境計量証明事業登録、環境部門を新設
  • 2000年(H12) 3月 ISO9001を認証取得
  • 1997年(H9) 5月 大阪府摂津市に摂津試験所を新築し、機能の一部を移転
  • 1981年(S56)11月 大阪府守口市にて土質試験業務を開始
  • 1980年(S55)12月 協同組合 関西土質研究センターを設立

顧問から「センターの魅力、期待、想い」

地盤工事の安全と安心のために 西形 達明

 市民生活の基盤をなすものは多くありますが、何といっても「地盤(土地)」はその大もとであると言えるでしょう。一方で、地盤には「不均質」、「不確定」、「未知数」、「未曾有」など、地盤工学の専門家でさえ戸惑いを覚える現象が数多くあります。そんな地盤を相手に、技術者は不安と闘いながらインフラ整備や防災対策など市民の安全と安心のために日々設計施工の業務を遂行しています。
 関西地盤環境研究センターの主な仕事は、前述の「不」や「未」の付く現象からくる技術者の不安を小さくするために、各地の工事現場から運び込まれる土や岩石試料の工学的性質を明らかにすることにあります。このために、センター所員は地盤関連の多くの試験機械を駆使し、より信頼性の高い結果を求めるための努力と鍛錬をしています。と同時に、当センターの技術者には日々の試験業務とは別に、各自が地盤工学上の諸問題に関する研究主題を設定し、学会やフォーラムなどでその成果を発表することも重要な仕事になっています。

西形 達明

関西の地盤材料試験の要(かなめ)として 大島 昭彦

 周知のように、地球上の全ての土木・建築構造物は地盤上または地盤中に建てられるので、いくら素晴らしい構造物であってもそれを支える地盤がしっかりしていないと存続できません。そのために、構造物の計画・設計・施工を行う際に地盤調査と土質試験・岩石試験の地盤情報が必須となります。地盤は基本的に自然が作ったもので、多種多様(様々の種類の土が様々の状態にある)で、不均質に存在するので、非常に複雑です。関西地盤環境研究センターはその地盤性状を調べるために、地盤材料試験(土質試験と岩石試験)の専門機関として関西の地盤調査業界ではなくてはならない存在となっています。質・量ともに日本一の試験機を有するセンターで、職員は日夜自己研鑽に励み、試験技術の向上を図っています。
 近年の豪雨や地震による自然災害に対する復旧業務、事前の防災・減災の取り組み、及び日常のインフラ整備に対しても基礎地盤情報としての地盤調査と地盤材料試験が欠かせません。センターは今後も組合員のための「関西の地盤材料試験の要」として貢献していくものと思っています。

大島 昭彦

新時代はこの未来だ! 澁谷 啓

 このタイトルは、私が大好きな歌手Adoさんの曲「新時代」の歌い出しのフレーズです。本拙文の“新時代”とは、近年急速に社会実装されつつある地盤変形を考慮した“性能設計”のことであり、“この”とは、“室内土質試験”のことです。新時代の幕開けは、我が国の土木・建築分野の地盤設計法の歴史において、70年以上に亘りほぼ無批判に踏襲されてきたN値万能主義の終焉を意味します。
 性能設計への移行は地盤工学の歴史の必然であり、その端緒となる瑞相は、室内ベンダーエレメント試験と繰り返し三軸変形試験がほぼ同時に基準化された30年近い昔に遡ります。当時、英国連合(commonwealth)に属する東南アジアの国々では、都市部における地下鉄建設ラッシュでした。河口デルタ地域に厚く堆積した軟弱粘土地盤を対象とした近接掘削施工では、周辺地盤の変形を正しく予測するために、たとえ軟らかい沖積粘土地盤でも、室内要素試験により0.0001%〜0.1%の微小ひずみでの土の変形係数のひずみレベル依存性を精度良く測定し、その値を解析に反映することが必要でした。振り返れば、このときに地盤工学の先人達がこの種の現場ニーズに真摯に向き合ってくれたお蔭で、室内試験装置・ひずみ計測の技術が格段に進歩しました。さらに、原地盤と室内試料の0.0001%オーダーのひずみレベルでのせん断弾性係数を比較すれば、室内試験試料の定量的な品質評価に役立つことも分かり、いわゆる“不撹乱”試料の真偽を判別する手法が確立されました。
 地震時の土構造物の残留変形を考慮したNewmark(ニューマーク)法による性能設計法は、JR、農水省で既に実用化されています。後追いではありますが、夥しい数に及ぶ全国の道路盛土を対象とした性能設計については、数年先に予定されている道路土工指針の改訂と連動して、今まさに喧々諤々の議論が展開されています。さらに、去る令和5年5月に施行された盛土規制法では、高盛土の造成後に室内土質試験を実施して安定性を確認することが明文化されました。国政における省庁横断型の画期的な新法であり、遂にルビコン川を渡ったな、と感じています。
 自然の産物である土を対象とした地盤工学では、地盤調査、室内試験、解析は三位一体であり、これら三者は不可分です。外力による地盤挙動を正しく評価するためには、現場の地盤の硬さや強さを正しく求めることが必須であり、解析に必要な地盤パラメーターを乱れの少ない試料を用いて、できる限り現場の応力・変形状態を忠実に再現した室内試験から求める必要があります。
 小職が所属する一般財団法人建設工学研究所は、微力ながらも第三者機関として、産官学一体型の研究の推進と研究成果の社会還元を主たる生業としています。翻って土質試験に眼を転じて全国を見渡してみると、関西地盤環境研究センターは、各種性能設計に必要な地盤パラメーターを得るための最新の道具立てと優秀な技能者の両方が揃っています。今後、両者のパートナーシップをこれまで以上に強め、眼前に山積する実務の諸課題の解決に向けて新たな知の創造と継続的な技術革新を展開し、豊かで安全安心な社会の実現に向けて共に汗を流し、新たな未来を築いてゆきましょう。
 最後になりましたが、組合員の皆様方には、業務でお困り事があればお気軽にご遠慮なくご相談下さい。

澁谷 啓

組織図

専務理事八谷 誠
センター長松川 尚史
副センター長森 辰義
地盤技術室長松川 尚史
品質管理室長森 辰義
顧問西形 達明
顧問澁谷 啓
顧問大島 昭彦
(2023年5月現在)

役員名簿

理事長寺西 一哲株式会社 ソイルシステム
副理事長窪田 博之株式会社 アテック吉村
副理事長竹内 功株式会社 関西土木技術センター
専務理事八谷 誠協同組合 関西地盤環境研究センター
理事藤井 勉株式会社 エイト日本技術開発
理事束原 純中央開発 株式会社
理事甲斐 誠士大日本ダイヤコンサルタント 株式会社
理事髙松 博司株式会社 キンキ地質センター
理事髙村 憲明株式会社 KGS
相談役田中 政憲復建調査設計 株式会社
相談役中山 義久協同組合 関西地盤環境研究センター
監事山本 善浩双葉建設 株式会社
監事竹末 圭一郎株式会社 白浜試錐
(2023年7月現在)